- 2019.03.09
- Precision Fit (プレシジョンフィット) 身体に生じる痛みそれぞれ
前回はクランク長がどこのことを指すのか?一般的にいわれているクランク長の長短におけるメリット、デメリットについてお話しました。今回からはフィッティングにおけるクランク長の長短で、ポジションにどんな変化があらわれるのかをお話します。
プレシジョンフィットの場合、ペダル上死点と下死点における足の角度と、その人の柔軟性によって適正なサドル高が決定します。クランク長が短ければこの角度はより深くなるため、サドル高を上げる必要があります。そしてサドル高が上がることで、ハンドルとの落差が出るので、より空気抵抗を加味した前傾のポジションもとりやすくなります。また股関節や膝など可動部の負担を下げることもでき、痛みの軽減や緩和にも有効です。
この赤いライン、足の開きの角度がポイントとなります。
短い場合と逆で、適正なサドル高を算出するにはサドル高を下げる必要があります。またハンドルとサドルの落差があまり出ない(場合によってはハンドルの方がサドルよりも高くなります。)状態になるため、よりアップライトな乗車姿勢になります。ただしあまりに長いクランク長を選択した場合、上死点にペダルが来た時に股関節がかなりきゅうくつになるので、呼吸がしにくくなる可能性もあります。
クランク長が長いと赤いラインの角度がせまく、きゅうくつなペダリングになってしまいます。
クランク長の変化で、どの程度サドル高が変化するのか実際に検証してみました。ぼくの場合、普段は170㎜のクランク長を使用しているのでこれを基準とします。体の柔軟性を加味した場合、適正サドル高は69.3cmとなります。今回は165mm 167.5mm 172.5mm 175mmの4パターンを計測してみました。計測結果は
となりました。最短と最長で実に約3cmもサドル高が変わることになります。
それぞれ165mmのクランクと175mmのクランクを使用して適正サドル高にした場合には、写真のようにこれだけ見た目も変化してきます。
175mmクランク使用の場合
165㎜クランク使用の場合
今回検証したサドル高の変化からも分かるように、クランク長を変更することによってポジションは大きく変化します。サドル高が変わればサドルの前後位置やステム長、サドルとハンドルの落差など、あらゆるポジションの調整をおこなわなければベストのポジションを見つけ出すことはできません。どの部分も1mm単位で調整ができるフィットバイクと、リアルタイムで出力やペダリング効率が計測できるSpin Scan(スピンスキャン)を使用するプレシジョンフィットは、クランク長の見直しをする方にもおすすめのサービスです。
次回は実際にクランク長の違いによって出力やペダリング効率がどう変化するのか?を検証してみたいと思います。
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