- 2019.03.09
- Precision Fit (プレシジョンフィット) 身体に生じる痛みそれぞれ
最近、ロードバイクのコンポーネント組み換えをされる方から「せっかくだったら違うクランク長を試してみたいけれど自分にはどれが適正になるの?」と聞かれることがあります。というわけで今回からクランク長を変更することでどんな効果があらわれるのかを数回に分けて検証していきたいと思います。(以前にもクランク長を変更することで出力がどう変わるかを試しましたが今回はより深くまで検証します。)
※ページ下部に各メーカーごとのクランク長一覧を追記しました。(2018/09/03)
クランクを取り付ける穴の中心~ペダルを取り付ける穴の中心までの距離をクランク長と呼びます。最近はシマノのクランクのようにクランク取付部分に穴が開いていないモデルもありますが、クランク裏側にクランク長の記載があるものがほとんどです。
赤いライン部分がクランク長と呼ばれる部分です。
クランク裏面にこのようにクランク長の記載があります。
指標となる物がいくつもあり、どれがベストになるのかは個人差があるかと思いますがもっとも一般的なものは以下の物です。
昔から指標の一つとしてよく言われているものです。身長が170㎝の人であれば170mmのクランク長が。165㎝の人であれば165mmといった非常にざっくりした計算から算出されるものです。個人的にはクランク長は足の長さが関係してくると思うので上半身まで含めた身長で測るのはどうなのか?と思うところもあります。僕の場合170㎜のクランクを使用するのが適正値になります、今使用しているのも170mmなのでこの計算方式上ではベストなものを使用していることになります。それ以外にも股下の長さからクランク長を算出する方法など色々とありますが、どの計算方法を使っても同じクランク長にはならず、どれを指標にすればいいのか迷ってしまいます。
ではプロ選手の身長とクランク長はどうなっているのでしょうか?トレックセガフレードに所属経験のある選手を例に見てみましょう。まずは昨年引退をしたカンチェラーラ選手の場合、身長186cmに対してクランク長は175mmを使用していると思われます。(2015年ジャパンカップに出場予定だった彼のバイクのクランク長を自分の目で確認しているので確かだと思います。)別府史之選手、身長180㎝に対してクランク長172.5mm(スキルシマノ在籍時のデータ)アルベルト・コンタドール選手、身長176cmに対してクランク長172.5mm。(過去のデータから引用)このデータを見ると上の指標だけではないところからクランク長を算出しているようにも感じます。選手の脚質や走り方からクランク長を決めているのでしょうか。
では短いクランクと長いクランクでどのようなメリットがあるのでしょうか。一般的に短いクランクでは高いケイデンス(ペダルの回転)が維持しやすいと言われています。逆に長いクランク長では長いぶんトルクがかけやすく、力が必要なダンシングやヒルクライムに有利とも言われています。
実はフィッティングという観点から見てもクランク長の長さによってメリット、デメリットがあります。次回はこのフィッティングにおけるクランク長についてお話しします。
2018年現在、主要メーカーからでているクランクそれぞれの長さは以下の通り。(ロード、シクロクロス系)
165mm、167.5mm、170mm、172.5mm、175mm、177.5mm、180mm 計7種類
165mm、170mm、172.5mm、175mm 計4種類
165mm、167.5mm、170mm、172.5mm、175mm、177.5mm 計6種類
主要コンポーネントメーカーからリリースされているクランクの長さは165mm~180mmまでとなります。この範囲だと、上記ででている、「身長の10分の1」に適合しないかたもでてきてしまいますが、Dixna(ディズナ)というブランドからリリースされているLa・CRaNK(ラ・クランク)はさらに豊富なクランク長展開をしています。
130mm、135mm、140mm、145mm、150mm、152.5mm、155mm、157.5mm、160mm、162.5mm、165mm、167.5mm、170mm 計13種類
主要メーカーに比べて、短めのクランク長を豊富に取り揃えており、女性や小柄なかた向けのクランクとしておすすめです。
プレシジョンフィットをおこなうフィットバイクではクランク長の調整(155mm~185mm)が可能です。フィッティングの際には、どのクランク長が適正となるか導き出します。クランクでお悩みのかたにおすすめのサービスです。
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