「ぼく、電動メカ(以下、Di2)にすごく興味あるんだよね。すごい軽いタッチで変速ができるんでしょう?」
「ぼくのロードバイクはアルミの10段変速(Domane AL4)なんだけど、最新の12速Di2がつくのかなあ?」
お預かりしたDomana AL4(2023model)。Domane ALシリーズは、マッドガードやキャリア取付もすっきり行える、マルチにつかえるエントリーロードバイクだ。
ちばサイクル湘南藤沢店に足しげくご来店いただいている、とあるお客さまからのご質問ではじまった今回のカスタマイズ計画。
フレームの構造や12速化にともなうパーツ互換性確認を経てお見積り。さらにはいかにDi2が快適に変速するのかなどをご本人さまに体感していただきいよいよ愛車のカスタマイズへ。 さあ、その最終形態はいかに!
できあがりまでの流れと、このブログを見て組み換えをしようとお考えの方への気を付けていただきたい点などをまとめてみました。
1:アルミのドマーネ(2023モデル)は「Di2内装」対応設計?
2:Di2化するのに必要な部品たち。そして価格はおよそ・・・
ドマーネのアルミシリーズはフレーム後ろ半分がケーブル外装式。よって「Di2内装設計ではない」といえます。
「最新型12速Di2」は、レバーから後変速機に信号を送る仕組み(ワイヤレス)ではありますが
上図のとおり「後変速機」からシートポストに収まる「バッテリー」と「前変速機」がエレクトリックワイヤーでつながっています。
今回のフレームのように画像左の設計だと「Di2配線」は外装となります。
※画像右のようにフレームに穴があいている場合に内装がほぼ可能。
前変速機側も同様で、ケーブルがフレーム下を外装で通る場合(画像左)、Di2も外装となり、
エレクトリックワイヤー用穴がフレームにある場合(画像右)Di2の完全内装が基本できます。
今回カスタマイズするDomane AL4、ケーブルの外装配線をいかに美しく仕上げるのか? がキモになりそうですね!
Di2化するのに必要な部品を並べてみました。
箱から出すとこんなかんじ。
このほかにもボトムブラケットやバーテープ巻き、ディスクブレーキに注入するオイル、組み替える工賃などを含め、総額約24万円となりました。
これから組み換えを検討されているかた、料金の目安としてくださいね!
なお、料金は取り付ける方法によって多少前後いたしますのでご相談いただければ、まずお見積りをいたしますのでご安心くださいませ!
さてさて、内装対応設計になっていないフレームでも、工夫次第でこんなにきれいに「ほぼ」内装みたいにカッコよく仕上がる!
そんな工夫がこちらです。
12速になって劇的に細くなったエレクトリックワイヤー。だからこんな感じで未使用の穴からワイヤーを出すことができる。
今回は使用していないシートチューブ側のボトルケージ用穴から配線を通します。
下穴からのケーブルは前変速機へ。上穴のケーブルはこんなふうにきれいに配線をはわせて
トップチューブの裏を通り、さらにチェーンステー下にきれいに配線をして目隠し。→ 後変速機へ。
完成。エレクトリックワイヤーをきれいに収めてできる限り美しく仕上げました!
ここで「そもそも10枚のスプロケットがついている後輪に12枚も歯が収まるのか??」という問題についてお話しておきましょう。
交換前。10枚の歯がついている。
基本11速用の車輪には12速が取付可能な設計にはなっているんだけど、10速→12速はふつうは無理なのです。
ただし・・・
10速のスプロケットをはずしたら、こんなかんじでスペーサーが残っていた場合、
「もともと11速対応ホイールにスペーサーを使うことで10速化していたホイール」ということになるので、
ほら、12速化できちゃうんです。
お預かりしたDomane AL4が、将来を見越した「親切設計」な仕様だったので、後輪まで購入する必要がなくなりました!
※スプロケットの枚数が増えるカスタムを個人でするときは、事前にこういうのを調べてからはじめましょう。
最新の12速Di2への組替で、シフトが劇的に軽くなったことはもちろんですが
レバー形状もどんどん進化をとげているんです。
いわゆる「人間工学に基づいた進化」がすすんでいて、とても握りやすくなっています。
レバーを上から見ると(写真左)気持ち内側にカーブしていて、近年のメジャーレースでもよく見かける「レバーを少し内側に絞り込むセッティング」で「握ったときに手首の負担が少ないうえで空気抵抗も少なくなる」形状になってたり、握り部分(写真右)が今までよりもさらにシェイプされていて手の小さい人 / 大きい人を選ばず持ちやすかったり・・・
操作性も非常によくなっています。
いままでマッドガードに前変速機のアームが干渉(写真左)していたのも、今回のDi2化で(Di2にはワイヤー用アームがないので)解消されたのもうれしいですね!
12速Di2は後変速機 / レバーとBlue toothなどに対応するディスプレイとのワイヤレス接続ができます。
そうすると、ディスプレイ本体独自にある機能(ナビシステムやスピード / タイム / ペダルパワー等)のほかに
「今どこの段数に入っているか?」「シフトを何回行ったか」「シフトがこれ以上ありませんのアラート音設定」「バッテリー残量表示」などが可能になります。
さあ!できあがりです。
アップグレードされた「ドマーネAL4・改」で、これからもより楽しいサイクルライフを満喫されてくださいね!
ちばサイクルは神奈川県に3店舗を構えております。
TREKのマウンテンバイク、ロードバイク、クロスバイクを幅広く取り扱っており、
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