トレックが2021モデルとして発表した新型Emonda(エモンダ) SLRの試乗車がいよいよ店頭にやってきました!今回は組み立てる前に一度完全分解して、気になる重量を測定したので皆様へご紹介いたします!
・Emonda SLRの外観をチェック!
・気になるフレームとフォークの重量を公開!
・周辺アクセサリー(シートマストキャップ+ハンドルバー)も重量計測しました!
分解する前に、エモンダSLRの造形を各部にわたってご紹介します!
トップチューブは大きな負荷がかからないため、軽量化を意識した細めのチューブに仕上がっています。また、特徴的な「くびれ」はデザイン的にも優秀です。軽量さを演出するこのトップチューブは走行中にも見えるポイントで、ヒルクライムしているときはモチベーション維持につながるかも!?
軽量バイクながら、空力性能を向上させた「ハーフエアロ」デザインに仕上がった新型エモンダは専用のエアロヘッドセットを採用しています。一体感のあるスペーサーも車体全体がすっきりとしており、ワイヤー類はスペーサー上部にわずかに見えるのみ。バイク全体がスマートなイメージへ変更されました。
トレックのフルエアロデザインを採用した「Madone」「Speed Concept」などで採用された「KVFデザインチューブ」が、エモンダにも採用されました。カムテールといわれるチューブ後方をすっぱりと切り落としたようなフォルムが特徴で、涙滴型のチューブに比べチューブ質量を軽量化できる上、空気抵抗は増大しないというもの。
軽量化をしながらも空力特性をUPさせたいエモンダには最適なチューブ形状を採用したことになります。
近年、空力特性の向上に「ドロップドシートステー」といわれる形状を採用するメーカーが増えてきました。しかし、エモンダはクラシカルなシートステーを採用しています。これには三つの理由があるとトレックは回答しています。
① 重量が50g重くなるから。アルプデュエズを速く走るという目標において、重量増のデメリットが空力のメリットを上回ることが分かりました。
② フレームの強度をあげる必要があり、快適性が損なわれるから。
③ ライダーの脚の間で乱流が発生するため、シートステーの空力は重要度が低いことがわかったから。
このように慎重に導入を検討した結果見送った経緯があり、新型エモンダSLRはエアロ形状を採用するバイクにありがちな「高い運動性能を獲得するため快適性を犠牲にする」といった総合性能を重視したと言えます。
さらにエモンダSLRのテクノロジーが知りたいかたはこちら:https://chibacycle.com/blog/index.php?category=sp&store=concept&p=6086#emonda20212
フレームデザインは重量増を最小限にしつつも、これまで以上に「平地巡航能力」を向上させた、真のオールラウンドバイクに変身したことが見てとれます!
では、今度はフレームを分解してフレームやその他パーツの重量をチェックしていきたいと思います!
気になっている方も多いので、さっそく発表します!新型エモンダSLRのフレーム重量は何グラムでしょうか!?
※支えにしている発泡チューブの重量は差し引いてあります
Emonda SLR:54cm/H1.5 |
794グラム |
トレックのメディアリリースと思われる情報では「698グラム」という情報が出てきています。しかし、この重量は「無塗装」状態の結果とのこと。
通常トレックの塗装は80グラム~100グラム程度の重量があるといわれています。ちょうど100グラム増くらいなことを考えると逆算でピッタリです。
さらに、カタログ計測時には外すことも多い「ディレイラーハンガー」も装着済みなので、10グラム程度軽く、塗装は90グラム前後かもしれません。
ディスクブレーキモデルになって車体重量が重くなってしまった車体が多いのですが、果たしてフレームレベルだと重量差はどれくらいなのでしょうか?
過去に実測重量を計測した「Emonda SLR(リムブレーキ/2018モデル)」は720グラム(52cm)という重量でした。※実測時の記事はこちら
フレームサイズの影響度を無視しても74グラムというわずかな重量差という結果になっています。
ということは、ディスクブレーキモデルであっても、パーツ選定などを突き詰めれば5キログラム台の車体重量に仕上げることも可能なんじゃないかなと考えています。
フレームとセットになっている、フロントフォークも単体受領を計測しました!
Emonda SLR:専用フロントフォーク |
373グラム |
フォークについても、リムブレーキ仕様の軽量フォークに比べて40グラム程度の重量増にとどまっていると思います。
フレームやフォーク以外にも付属するアイテムについても計測してみました!続いてご覧ください!
こちらは重量129グラムでした! このシートマストキャップは他社でいう「シートポスト」と同等機能をするパーツなんですが、
一般的なシートポストで超軽量級でも150グラム前後のものがほとんど。かなり軽量なアイテムです。
さらに、シートマスト構造は非常に快適性をUPさせるのに有効なため、エモンダに継続採用されたのは素晴らしいと思います!
新型エモンダと同時に発表されたステム一体型のハンドルバーです。こちらもエモンダ同様に「ハーフエアロ」となっていて、一見するとSTIレバーからフレームに挿入されるケーブル類が見えなくなっています。完全内装ではなく、ハンドルバーにケーブルがぴったりと沿うデザインになっています。
このハンドルバーの重量は295グラムとなっていました!(Di2ケーブル込み)標準的なステム+ハンドルバーの組み合わせより軽量に仕上がっていると思います。
※完成車モデル「Emonda SLR7」は実測重量7.1kgでした
今回、注目が集まるエモンダSLRのフレーム、フォークの重量は「最軽量」バイクの名にふさわしく、依然として軽量バイクのトップグループに属することが分かる計測結果でした!
そして、カスタム次第では恐らく5kg台も狙えるのではないかと思います。
ヒルクライムの相棒として、ディスクロードが欲しいかたはぜひ、このエモンダSLRを選んではいかがでしょうか!?
現在、湘南藤沢店にて54㎝サイズの試乗車をご用意しておりますので、顔写真付き身分証明書をご持参のうえ、テストライドしてみてください!(7/18(土)より試乗可能になる予定です)