神奈川県相模原市・藤沢市でクロスバイク/ロードバイク/マウンテンバイクの販売・修理&整備・オーバーホール・カーボン補修・塗装・中古車を取り扱いしております。
  • お問い合わせ
  • サイトマップ
  • English


[2021モデル](エモンダ)Emonda SLR試乗レビュー![ヒルクライム・平地]

 

Emonda SLR HillclimbBanner

 

2021年モデルにフルモデルチェンジされた「エモンダ SLR」が登場!スタッフが実力を試してきました!

2021年モデルでエアロフレームになったり新しいカーボン素材を取り入れたりしたEmonda SLR。多くのヒルクライムレースで優れた結果を出してきた自転車が、新しくなってその実力はどうなったのか?と気になる方も多いと思います。

 

そこで湘南藤沢店・スタッフの若松が試乗レビューを行ってきました!

向かった先は宮ケ瀬湖。ここをチョイスしたのはトレーニングで長年お世話になっている場所であり、慣れているので自転車のちょっとした違いなども感じられそうです。それでは早速いってみましょう!

 

平地での巡航性能について

思わずスピードを出してしまう車体(時速30㎞くらいでの走り心地)

宮ケ瀬湖には七沢から土山峠を越えていくコースをチョイス。藤沢~七沢間は信号が多めで、比較的フラットな道が続きます。ここでは30㎞/hくらいでの乗り味を確かめるつもりでした。

しかし、なかなか速度の維持が難しい!気を緩めるとすぐに35km/h程度になってしまう。まるでエモンダから「もっと速く走ろうぜ!」と語りかけてくるようです。発進、停止もその軽量さと反応性からか、ストレスなく走れます。

 

この走行感覚はエアロフレームとホイールにある?

エモンダは2021年モデルからエアロ形状となっています。エアロ形状にするとノーマル形状よりも素材を多く使うため重量が増してしまいます。しかし登りでも空気抵抗は全く無視できるものではない。そのバランスをとるためにボントレガーはフランスにある有名な峠、アルプデュエズ峠を最速で登ることを目標としました。その究極のバランスを体現したのがこのセミエアロとも言える形状でした。

また、エモンダSLR 7についてくるホイールはAeolus Pro 37(フルカーボンホイール)。こちらもエアロ特性を突き詰めて最近ボントレガーが出した最新のものです。

このフレームとホイールにより、そこまで高くない速度域でも空気抵抗が大きく減少した結果上述した走行感覚につながったと考えます。

 

新素材800シリーズOCLVカーボン。その乗り味は?

高強度の素材を使ったバイクは多くの場合は剛性が高く、硬い乗り味になる傾向にあります。高強度な新素材を使い、エアロとなってボリュームを増したこのバイクもかなり硬いのではないかと想像しておりました。

ところが想像したほどの硬さではありませんでした。これまで乗ってきたロードバイクの中ではかなりカッチリとした印象で硬い方ではあるのですが、踏み込んだ力が跳ね返されるほどではない。強く踏み込めば適度なしなりで素早く推進力に変換してくれている印象です。

 

800シリーズOCLVカーボン

 

Emondaの超軽量を維持したまま、エアロ形状を実現するために開発された新素材です。これまでの700OCLVカーボンに対して30%高い引っ張り強さを実現しています。これを車体全体に使うのではなく、要所要所に織り込んでいるということです。効果的な使用にとどめることで軽量化・加速性能の維持を実現したうえで、硬すぎない車体を実現できているのではないかと思います

 

ヒルクライム性能も試してきました!

「素晴らしい反応」の一言

Emonda SLR Hillclimb 1
ダンシングはさすがに振りが軽い!

 

七沢から土山峠の区間では全開走行してみました!前半は、緩やかな登り基調の中にアップダウンがあるコースレイアウト。強く踏み込んだ時の反応を見ることができます。急な登り返しを勢いをつけてダンシングすると、素早く反応してくれます。シッティングでもダンシングでも踏み込んだ力をすべて推進力に変えてくれる感じで、短い登りを勢いで登りきることができました。面白いくらいに進むので、調子にのってがんがん踏んでしまいました。

後半は勾配がきつくなっていって最後は7%程度の斜度になります。前半に飛ばしすぎたのかとても苦しい・・・ですが何とか頂上までまずまずのペースで走れました。Emonda特有の超軽量であることがプラスに働いています。しかし、この車体に乗るとどうしても調子に乗って飛ばしすぎるので注意が必要です(笑)

 



Emonda SLR Hillclimb 2
シッティングでも気持ちよく回ります

 

エアロフレームの弱点に迫る!?

強い横風を受けるシーンでの操作性は…果たして!?

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%A7%E6%9E%B6%E4%BE%9D%E6%A9%8B#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Zakaebashi-Bridge.JPG

 

宮ケ瀬湖を半周して中津川沿いを走ったあと、相模川にかかる座架依橋を渡りました。この日の橋の上は強い横風(南風)となっていました。普段乗っているのはエアロではないロードバイクなので、安全に渡れるか多少の不安がありました。しかし意外にも不安定感は少なく、不安なく安全に渡りきることが出来ました。

TREKの開発ストーリーを見てみると…アルプデュエズ峠は突風が多いそうです。しかも登りでは速度が遅いため、平地の高速走行時よりも突風の影響を強く受けます。このためアルプデュエズ峠を速く走る車体の開発には突風を考慮する必要がありました。TREKはコンピューターシミュレーションにて横風を再現し、色々な車体形状を試したそうです。そうして生まれた最適形状なので、横風を受けても安定して走れるのは当然かもしれません。

 

まとめ

新型Emonda SLRはいままで同様に、ヒルクライムレースに強い自転車だと感じました。さらに「アルプデュエズ峠を速く走る」という目標を掲げて開発されたその車体は、意図せず幅広いシーンで高いパフォーマンスを発揮する車体になっています。これ1台でヒルクライムはもちろん、平坦レースやクリテリウムまで多くの場面で勝ちに行ける車体に仕上がっていると感じました。