6kg台どころか5kg台にも仕上がる、市販車最軽量といわれる、2018年モデルのエモンダSLR。ヒルクライムをしたら「最強!」であろうこの1台を分解、ボントレガー(BONTRAGER)の市販品最軽量のサドル・ハンドル・ステム・ホイール・シートポストをも比較分析します。みなさまのロードバイクの「軽量化」に役立てていただきつつ、プロジェクトワン(PROJECT ONE)にてエモンダSLRのご購入を検討しておられる方に見ていただきたいです。
分析⇒組立⇒そして試乗&インプレッション(評価)の流れで、日をおいてアップデートしていきますので、ぜひまめに足を運んでください!
プロジェクトワンにてオーダーしてから1カ月ほどが過ぎ、待ちに待ったエモンダSLRがようやくコンセプトストア(相模大野)に到着しました!
中を開けると!
はい、こちらが今回、最終的に「市販車最軽量!」をめざすことになる自転車、「エモンダSLRフレームサイズ47cm H2」の組み立て前の姿です。
まずはすべてのパーツを取り外し、本日はフレームとフォークの重量チェックと分析を行います。
モデルチェンジ前(2017年モデル、サイズ50cm H2)のエモンダSLRフレーム&フォークと単純比較すると、
フレーム⇒42g減
フォーク⇒10g増
という結果になりました。※旧モデル参考数値はこちらのリンク先を流用しています。
フレームの重量は、「素材重量+塗装重量」で決まります。今回のようにプロジェクトワンにて通常塗装をすると、塗装重量だけで80g~100gあります。これをもしも「U5 Vaperコート」というアップチャージで利用可能な最軽量塗装(なんと5グラム!!)でオーダーすると、フレームサイズ次第では、トレックがオフィシャルで公表している640gを大幅に下回る500g台になる可能性があります。すごいですね!!
搭載するパーツは、「ボントレガー製であること」「(常識の範ちゅうで)体重制限がないこと」「乗り手の希望に沿うこと」を条件に最軽量のものを選んでいきます。で、まずはホイール(タイヤ含む)から。
今回選択したのは「AeolusXXX Tubular(アイオロストリプルエックスチューブラー)ホイール」と「R4 320チューブラー700×25c」の組み合わせ。前輪420g、後輪556g、そしてチューブラータイヤ前後290g×2で、トータル1556g※です。ちなみにタイヤは700×23cを選択すると、さらに前後で20gの軽量化ができますが、あえて今主流となっている25c幅を選択しました。
※重量に接着剤の重量は加味していません。
ホイール:AeolusXXX チューブラーホイール 前輪 / 141,574円 後輪 / 182,315円(10%税込)
タイヤ :R4 320チューブラー700×25c 14,850円 / 本(10%税込)
「前後ホイールセットの重量1556g」と言われてもピンとこないので、ちょっと表を作ってみました。いかがでしょうか?
ちなみに重量の参考数値はこちらのページを流用しています。
20万円台(エモンダSL5:230,040円税込)、30万円台(エモンダSL6:320,760円税込)、40万円台(エモンダSL6Pro:450,360円税込)のロードバイクにご乗車いただいているみなさまにも、ぜひためしていただきたい「ホイール最軽量カスタマイズ」です!!
「軽量化するなら、まずはホイール(特にホイールの外周)から」というのは常識。ちょっと軽くするだけで劇的に快適なライドができるようになりますので、ぜひお試しあれ!
ハンドルまわりを軽量化するにあたり「最軽量をねらうのか?」それとも「乗り手の自由度を重視するのか?」で迷ったのですが、結局、後者を選択することになりました。どういうことかというと・・・
Bontrager XXX Integrated Road Handlebar/Stem(218g / 90mm) 71,280円(10%税込)
このようなハンドルステム一体成型タイプを選ぶことで最軽量となるわけですが、のちのちステム(もしくはハンドル)だけを交換することができません。そこで今回はステムとハンドルを別々に最軽量モデルを選ぶことになりました。で、選んだのが下の画像の組み合わせ。
ステム:Bontrager Pro Blendrステム(80mm 129g) 12,760円(10%税込)
ハンドル:Bontrager XXX VR-Cハンドル(380mm 171g) 40,700円(10%税込)
82gほど重くなってしまうのですが、私(笹子)が乗るにはハンドル幅400は広すぎるし、ステム長も80mmが最高のパフォーマンスとなることがプレシジョンフィットで証明されている。・・・というのが理由です。
・・・さて、今回も重量の違いがわかりやすいよう、表にまとめてみました。参考にしてくださいね!
ハンドルまわりの軽くする⇒ハンドリングがとても楽になります。また、ハンドルをカーボン製にするだけでも(カーボン素材が路面からの振動衝撃を吸収してくれるので)腕や手、肩回りが疲れにくくなりますよ!
Bontrager Carbon XXXサドル 63,140円(10%税込)
カーボンの素地がむき出しのサドルは「座り心地が悪いのを我慢しなければならない」という先入観を持っていませんか?
いえいえ、最近のサドルは全くそんなことを感じさせないくらいクッション性が良い!座面のちょうど座る部分がいい感じにしなるようになっているんです。
このサドル、なんと重量は68g!! エモンダSLシリーズに搭載されるサドルが約300グラムですから、約5分の一になるってことです。すごい!
高価なサドルは買ったあとに後悔したくないですよね。「このサドルだけを試してみたい」というご要望も、通常の試乗と同じようにお受けいたしますので、どうぞ声をかけてくださいね!
※おしりの痛みに悩んでいる方、サドルプレッシャーマッピングを受けてみませんか?!興味のある方はこちらをご覧ください。
DuraAceDi2電動メカ(画像はリアディレーラー)
今回のエモンダSLRにインストールするのは、最新のデュラエース電動メカ一式。スラムEtapを搭載すればさらに98gの軽量化ができるのですが、あえて使い慣れたシマノ製を使用しました。STIレバー・Fディレーラー・Rディレーラー・ブレーキセット・クランクセット・スプロケットの総重量はメーカーカタログ表記参照で1629gです。
※Etap仕様についてはこちらのページをご参考ください。
コンセプトストア(相模大野)の軽量パーツコーナーの画像を拝借。ここに下位グレード使用時の重量(いずれも機械式)がまとめてあるので、これを利用して、コンポーネントの軽量化を考えているかた向けの表を以下に作って載せました。
※トータル重量は各パーツの仕様により変わります。また「電動メカ / 機械式」の違いによっても使うパーツ(配線等)が変わります。
いかがでしょうか?コンポーネントの入れ替えだけでもかなりの軽量化ができますね!
さて、土曜日/日曜日をはさみ、いよいよ本日から組み立て開始です。
まずは各パーツの下準備。ホイールの確認、タイヤの貼り付け
最適長の電気配線をフレーム内部にインストール・・・・家を作るときの「下地作り」のような作業。
地味ですが、こういうところをしっかり行ってこそパフォーマンスの高いロードバイクが出来上がります。
コンポーネントを取り付けて
さらに軽量パーツを搭載していきます。
下地処理をしたハンドルにバーテープを巻いて・・・今日はここまで。
すべてのパーツのセッティング後は全体調整。シフト動作を調整中の図。
すべての自転車はほかのスタッフの2重チェックをもって完了します。
完成しました!いよいよ明日計測をするわけですが、本日は「さらなる軽量化をしたいなら?」ということで、以下の表を作ってみました。
いかがでしょうか?このエモンダSLRをもっとボントレガー製品で軽量化したいなら
さらに約300g軽くすることが可能という結果になりました。
まずはペダルのついていない状態で(カタログなどに掲載される画像にあわせて)計測。5.5kgでした。
次は実際に私が乗車するとき用に、愛用のタイムペダル、ボトルケージを2個、メーター(センサー含む)を取り付けると・・・
5.8kgという結果になりました。
検証結果をまとめます。
「ボントレガー最軽量パーツ+スラムEtap」と「今回使ったパーツ」との重量差は約300グラムでしたので
エモンダSLR(470mm H2)をプロジェクトワンで考えうる最軽量バイクとしてオーダーした場合の完成車重量は、
5.5kg - 300g = 5.2kg
答え:5.2kgになる!
・・・いかがでしたでしょうか?
エモンダSLR最軽量検証はこれにておしまいですが、今回の自転車や最軽量パーツに興味をもっていただけるようにコンセプトストア(相模大野)では「CHIBACYCLE's Ever LIGHTs」というテーマで超軽量パーツブースを作りました。
ぜひ見に来ていただき、みなさまのロードバイクの軽量化にお役立てください。
ただし、今回の記事を担当した、私、笹子がお休みの日は、基本この愛車とともに過ごしているはずなので、お店にディスプレイされていないと思います。その際はご勘弁くださいね!
完成した翌日、さっそく藤沢・江の島方面へ乗りにいきました!
まずはほぼ平坦の境川サイクリングロードを南下。微妙な下り坂+追い風のおかげが、一気に遊水地公園の休憩所へ到着しました!
走行して感じたのは、「とにかく軽い」!
走り出しも、ハンドリングも、ホイールも、何から何まで軽くて今まで以上に走っていて楽しい!
これならどこまでもいけるんじゃないか…そんな錯覚すら起こしてしまいそうになるほど。
そして意外だったのがサドル。
カーボンだし、クッションもないから痛いんだろうな~と思いつつ乗車したのですが…痛くない!
もちろん、座っているとき時の感覚は固く感じるのですが、不思議と痛くないんです。
長時間座っていると血流が滞っている感覚があるものの、お尻を上げればすぐに解消!
私は「合わない」と感じるサドルが多いので、ここまで快適に乗れるとは思っていませんでした!
さて、さらに先へ進み、ちょっと寄り道。
はい、おなじみの湘南藤沢店です!できたてほやほやの自転車をお披露目!+暖を取りにいきました(笑)。
この日、3月に入っていたというのに寒かった(最高気温8℃!)んです…。思わずシューズカバーも購入してしまいました。
再スタートして江の島を経由。大崎公園で坂を登るか、おいしいものでも食べにいくか…と妄想を膨らませていました。が。
ここへきて風が強く吹き始めた上に、帰りが確実に向かい風だ…ということで江の島で記念撮影をして引き返すことに。
帰り道はゆったり走行。梅の花をバックに撮影したり、
あんぱんで栄養補給したり…とにかくまったり楽しみました~。
総走行距離は66kmとまぁまぁの距離でした!
ところでちらほら写真に写っているこれ。
今回換えのチューブラータイヤをどう持ち歩くか悩んでいたところ、スタッフ・黒野から渡されました!
GRANITE DESIGNのロックバンドストラップと言いまして、タイヤやチューブ、さらには携帯工具などなど、巻き付けてフレームやサドル下に固定して持ち歩く、という商品。
早速使用してみましたが、バンドがずれたり、タイヤが落ちたりすることもなくがっちり固定できちゃいます!
ちょっとした砂利道のようなところも走行しましたが、振動によるずれもなかったです!
今回はフレームに巻きつけて使用しましたが、この位置でも膝に当たらず快適でした。
かなり使い心地が良かったので、思わずご紹介しちゃいました。
こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、ご興味あればぜひご覧ください!
参考リンク:2018年エモンダシリーズ紹介
参考リンク:2018年モデルエモンダSLRを湘南藤沢店にて分析
参考リンク:2018年モデルエモンダSLR(スラムEtap仕様)インプレッション
参考リンク:2018年モデルエモンダSL5とSL6 / SL6PRO徹底比較
参考リンク:2017年(モデルチェンジ前の)エモンダSLRデータ
参考リンク:新型電動デュラエース組み替え紹介