ロードレーサーのパーツ、そのトップモデルといえばSHIMANO(シマノ)製コンポーネント「デュラエース9100(電動仕様は9150といいます)」。現在の技術の粋、そのすべてが詰まっているだけに、ロードバイクを趣味として所有するならいつかは使ってみたい!ですよね!!
さて今回のテーマはデュラエース最新モデル9100シリーズ(電動メカ仕様)を、こちらの新型マドン、そしてスピードコンセプトにもインストールすること・・・ですが、いつもとちょっと趣向を変え、よもやま話を交えつつ興味深いブログに仕上げようとおもっています。お楽しみに!
第4章:スピードコンセプトにも搭載(2017年8月30日追記)
「ひとつ前のモデルと比較してどれだけ性能が上がったか?」はググればたくさん出てきそうなので、ちょっとひねった記事をご提供します。
1991年(約25年前)に7速から8速へモデルチェンジ、このタイミングで世界初の手元で変速操作できるSTIレバーが初登場!今回、その当時のデュラエース仕様ロードレーサーをオーバーホールする機会に恵まれましたので、当時のモデル(7400もしくは7410シリーズといいます)に比べて最新モデル(9100シリーズといいます)がどれだけ軽量になったのか確認してみることにしました。
※重量計測はワイヤー引きのパーツを基本としていますが、STIレバーのみストックがなかったためDI2(電動メカ)仕様を使って比較しています。
STIレバー
524グラム⇒機械式はメーカー公表値365グラム(写真は電動メカ用で228グラム)
スプロケット
276グラム⇒196グラム(8枚⇒11枚になったのに、こんなに軽い!)
※ちなみにシマノはスプロケット14枚の特許をアメリカに出してます。いつかそんな日が?!
興味ある方はこちらをクリック(5/20追記)
トータル(2634グラム⇒2029グラム)なんと605グラムも軽量(23%の軽量化)に成功しているんですね!
さて、今回インストールするのは、デュラエースの電動仕様(9150シリーズ)です。まずはお約束の重量を計っておきましょう。
フロントディレーラー:102グラム(機械式より30グラム重い)
というわけで、機械式(ワイヤー引き)よりもさらに117グラム軽い!という結果になりました。実際には配線も「ワイヤーケーブル」から「とても細い電気ケーブル」になりますので、この重量差はもっと広がります(軽量になります)。
旧モデルに比べて大きく変わったところをビギナーでもわかりやすく列挙してみましょう。
1:シンクロシフト
下の動画のようにリアディレーラーだけシフトチェンジすればフロントディレーラーが自動で最適なシフトをしてくれる、とてもありがたいセッティングが選択できます。
動画内では右のシフトレバーを操作するだけで、フロントディレーラーも考慮に入れてギア比が軽い順(重い順)にシフトしていることがわかります。
2:変速のボタンが大きくなり、シフトしやすくなりました。
3:レバーの上にボタンがあります。
下の動画のようにSTIレバーの頭にボタンが隠れていて、そこを押すと変速!使ってみたインプレッションは次の章で見てくださいね!
4:レバーがシェイプされました。
5:レバーブラケット(ゴムのにぎる部分)が左右非対称です。
6:Rディレーラーがシャドータイプになりました。
シャドータイプは出っ張りが少なくスリムです。画像のように実際にフレームを倒してみるとその違いがよくわかりますね。
画像左:今までのRディレーラー 画像右:シャドータイプのRディレーラー
※6月8日に新型アルテグラが発表されました。関連記事はこちらをご覧ください。
マドン9.0動画(トレックオフィシャル)
操作性
まずはSTIレバー。ブラケットカバーパターンの変更で、手のひらに吸いつくような握り心地でブラケットを握っても滑りにくくなった印象。
実際のサイクリングイベントにて素手で使用しましたが、汗をかいても滑るようなことははありませんでした。さらに形状自体も左右非対称な形状に変化したことによりとにかく握りやすくなりました。信号からのスタートや坂道を登る際にダンシングを多用するのですが、レバーの根元部分を握った際のホールド感がすごくいいです。個人的にはカンパニョーロのエルゴパワーよりも握りやすくなった印象を受けました。
スイッチもサイズがやや大きくなり、下ハンを持ちながらの変速も押しやすくなりました。旧モデルでは冬場などグローブをしていると、変速ミス(ボタンの押し間違い)をおこしやすかったのですが今回のスイッチ仕様ではそれもまずないでしょう。ブラケット頭頂部にある隠れスイッチ的な「スイッチA」もよりクリック感が強くなった印象で、しっかりと押している感覚があります。このスイッチはカスタマイズ次第で変速やサイクルコンピューターのページ送りにも使用することができます(旧モデルでも設定可能)。タッチパネル式のサイコンは液晶の反応がイマイチな場合ページ送りに戸惑うことがあるので、地味にこの機能は使えます。
変速性能
Di2でのスムーズな変速性能は新モデルでも健在、坂道などトルクがかかるようなシーンでもフロント、リア共にしっかりと変速をしてくれ、文句のつけようがありません。さらにバッテリーをBlue tooth対応の新型バッテリー(BT-DN110等)にすることによって「シンクロナイズドシフト」「セミシンクロナイズドシフト」にも設定可能(旧モデルも設定可能)。ジャンクションAについているボタンでいつでも切り替えもできるので使用シチュエーションによって色々と試してみるのもおもしろく、ついつい多目に変速してしまいがちです。
「インプレッション」ということでついつい専門用語も使っちゃいましたが、お取り付けのご依頼・ご相談の際は、ひとつひとつ分かりやすくご説明いたしますので、どうぞ店頭で声をかけてくださいね!
乗車インプレ(フレーム:マドン9 ホイール:アイオロス コンポーネント:デュラエース9150電動メカ)
インプレ記事:沖山(相模大野エリア店長)
トライアスロンバイクということで、ロードバイクとはちょっと違うパーツをまずは調達。それが以下の2点です。
DHバーの先端に取り付けて、DHポジションでも変速ができるようにするボタン式シフター。
ブレーキレバー件シフター。ブルホーンバーに取り付けます。
いずれもシフト用ボタンは左右にひとつずつ。すべてのボタンがリアの変速機に連動しています。・・・ということは「シンクロシフト仕様」にて使うのが前提の仕上げということです(フロントも通常通り自分でシフトさせたい場合はほかのボタンを別途取り付けることが可能です)。ボタンをひとつにすることで「変速ミスを減らす&直感的に操作可能」などのメリットがあります。
レバーはより丸みを帯びた形状に変更され、手になじみやすくなっています。DHバースイッチもかなり小型化されスイッチもより押しやすいように位置が変更されています。また、配線(エレクトリックワイヤーといいます)が交換可能となりました。以前はワイヤー断線をするとレバーを買いなおす必要があったのですが、そのリスクを負う必要がなくなりました。
次にバッテリーの取付。これをシートポストの中にこんなかんじで埋め込みます。
完成です!
今回紹介した新型デュラエース(電動メカ仕様)。インストールご希望のかたにはご試乗も承りますのでどうぞご利用ください!