4月1日より始まった、2022年モデル在庫一掃セール。その中でも大注目のモデルがカーボンロードバイク・Emonda SLシリーズ!
TREKのロードバイクの中でも軽さに特化し、セミエアロフレームと素直な反応性も相まって高い人気を誇るシリーズです。
このブログでは2022年モデルのEmonda SL 5・Emonda SL 6・Emonda SL 6 PROを徹底分析!重量や性能を比較しました!
ぜひご検討材料の一つとして参考にしてみてください!
※重量表記について:
①フレームとフォークは実測値。ボトルケージねじをはじめ、ディレーラーハンガー・ゴムキャップ類・BBに至るまですべて外した状態で計測しています。
②メーカー公表値を一部使用しています。
③フレーム・フォークには塗装による誤差、すべてのパーツには製品誤差(重量にも多少は影響)がありますのでご理解ください。
※この章ではそれぞれの名称を「SL6」「SL6 PRO」「SL5」と短縮して表記する場合がございますのであらかじめご了承ください。
まずは重量(メーカー公表値)を表にしてみましょう。(フレームサイズ560㎜の場合)
エモンダSL 5 | エモンダSL 6 | エモンダSL 6PRO |
8870g | 8250g | 8030g |
エモンダSLシリーズはセミエアロ形状で、SL 5 / SL 6 / SL 6PROすべてにおいて、カラーこそ違いますが全く同じフレームとなります。
フレームサイズ500㎜のものを分解、フレームとフォークの重量を計測。結果は・・・
フレーム:1116g フォーク:372g となりました。
BBは110g、その他ゴム類やディレーラーハンガーが16g。フレームフォークとの合計で1614g(フレームサイズ500㎜)
SL5はSHIMANO 105(シマノ105)をフルセットで使用、
SL6とSL6 PROは、シマノ105の上位モデルとなる、SHIMANO ULTEGRA(シマノアルテグラ)をフルセット使用しています。
上位モデルのほうが「より軽く・精度が高く・耐久性が高い」。すなわち「より快適に・速く走れる」というわけです。
コンポーネントの中で仕様違いとなるものを以下の表にまとめました。
SL 5 | SL 6 | SL 6 PRO | |
クランクセット |
50×34 | 52×36 | 52×36 |
スプロケット |
11-30 |
11-30 | 11-30 |
タイヤ幅 | 700×28C | 700×28C | 700×25C |
重量については下記に表をつけておきます。
STIレバーは左右セット、ブレーキキャリパーは前後セットの重量を記載。スプロケット 11-30T、クランク 170㎜50-34Tでの表記となります。
また、ディスクブレーキはホース・オイルの重量は除いています。
パーツ名 |
105 |
ULTEGRA (SL 6 / SL 6 PRO) |
STIレバー |
610g | 554g |
フロントディレーラー | 95g |
92g |
リアディレーラー | 225g | 200g |
クランク | 713.5g |
681g |
ブレーキキャリパー | 285g | 286g |
スプロケット | 304g | 269g |
チェーン | 257g | 257g |
合計 | 2489.5g | 2339g |
SL5とSL6・SL6PROとのコンポーネントによる重量差は150.5gです。
写真左:105(SL 5) / 写真右:ULTEGRA(SL 6/ SL 6 PRO)
ディスクローターの形状が異なっていますね。
ULTEGRAのディスクローターには放熱効果を高めるICE TECHNOLOGY(アイステクノロジー)を採用。これにより熱がこもりにくく、制動力もベストな状態を保つことができるのです。
ホイールの種類も「SL 5 → パラダイムホイール」「SL 6 → パラダイムコンプホイール」「SL 6 PRO → アイオロスエリートホイール」と、それぞれ違うグレードが採用されています。車輪(特に車輪外周)は、そのままフットワークの良さにつながるので軽量にこしたことはありませんね!
さて、重量計測をしてみましょう。ホイールはタイヤ・チューブ・反射板を取り付けた状態(ローター・スプロケットは外した状態)でそれぞれ計測しました。
以下の表について、ディスクローターは左右セットでロックナット込み、スキュワーは脱着可能なレバー込みの重量です。
重量差は以下の表の通り。
パーツ名 |
SL 5 |
SL6 Disc |
SL6 Disc PRO |
ディスクローター前後 | 296g | 260g | 260g |
フロントホイール | 1340g | 1150g | 970g |
リアホイール | 1560g | 1450g | 1185g |
スキュワーセット | 88g | 88g | 88g |
合計 |
3284g |
2948g |
2503g |
SL 5とSL 6の比較では336g、SL 5とSL 6 PROとでは781gという大きな差がでました。
足回りが軽量になると漕ぎだしから軽く、加速性アップに加え、速度維持もしやすくなります。
SL6 Discのほうがより素早く、そしてSL 6 PROを選べばさらに速く走ることができる、ということですね!
それぞれの車種ごとに、タイヤのグレードや太さに違いがあります。これについてみていきましょう。
① SL5は完成車によく搭載される「R1タイヤ」を装着しています。
一般車のタイヤなどと同じようにタイヤのふちにワイヤーを内蔵(ワイヤービードといいます)しています。
ふちの強度は上がるものの、ワイヤーが入っている分やや重めです。
② SL6およびSL6PROはワンランクグレードアップした「R2タイヤ」を装着しています。
ケブラービードを採用し、重量を軽くしています。タイヤの転がる向きにあわせてタイヤの編み目(ケーシング)を合わせることで、よりはやく転がるように設計されたタイヤです。
さらにSL6 Disc PROは、SL6と同じ「R2タイヤ」を装着していますが、700×25Cの細いタイヤを採用。その分重量も軽いです。
ホイールのスキュワーにはBontrager スイッチレバー スルーアクスルを採用しています。
6mmの六角レンチまたは脱着可能な専用のレバーで開閉する形になっています。レバーの軽量化に加え、盗難防止にも役立ちます。
文章では少しわかりにくいので、以下の動画で構造と着脱方法を解説しています。
動画はR2のさらに上位グレード・R3の動画ですが、どのように開発されたかがわかるようになっています!
上記に書かれていない、ハンドルなどのパーツの重量です。
シートマストはどちらもショートタイプで7×7㎜のヤグラを含んだ状態。ステムはBlendrを除いています。
その他パーツはヘッドセット、コラムスペーサー、チェーンキャッチャー、ケーブルガイド、バーテープ、Blendrの合計です。
Blendrは取り付け要望の多い、Bontrager製サイクルコンピューター用の台座+ベースマウントの重量で計算しています。
パーツ名 | SL 5 |
SL 6 / |
シートマスト |
226g | 126g |
ハンドル (420㎜) |
310g | 270g |
ステム (80㎜/7°) |
162g | 129g |
サドル | 301g |
286g |
その他パーツ | 254g | 254g |
合計 | 1217g | 1037g |
シートマストの重量差によって大きく差が出る結果となりました!
シートマストはそれぞれ使用している素材・長さ・オフセットが異なっています。
SL5の素材はアルミ。長さはフレームサイズにより異なり、~56㎝までは128㎜、58㎝~は172㎜。オフセットは10㎜です。
SL6/SL6 PROは素材をカーボンへ変更。こちらも長さはフレームサイズにより異なり、~56㎝までは135㎜、58㎝~は175㎜。オフセットは20㎜です。
振動吸収性は「シートマストがフレームに覆いかぶさる形にすることで、フレームをしならせる」構造のため大差はありませんが、SL6に搭載されているカーボンシートマストの方が微振動を吸収してくれる感覚があります※。
※感じ方には個人差があります。
ステムはSL5にはELITEステム、SL6にはPROステムが搭載されています。
どちらもアルミ製で、ハンドルクランプ部にBontrager製のライトやサイクルコンピューターを取り付け可能なBlendrシステムに対応しています。
ハンドルも形は一緒ですが、使用しているアルミが異なっています。
SL5に装着されているComp VR-Cは6000番台のアルミを、SL6に装着されているElite VR-Cはより強度の高い7000番台のアルミを使用しています。
7000番台の方が強度が高いということは、厚みを薄くしても必要強度が保てる=軽量さにつながっている。ということになります。
今までの測定結果を合計すると…
Emonda SL 5は8604.5g(約8.6kg)。Emonda SL 6は7938g(約7.94kg)。666.5gの差となりました。
Emonda SL 6 PROは7493g(約7.49kg)ですので、SL 5とは1111.5g、SL 6とは445gの差となりました。
※フレーム・フォーク重量はどちらも50㎝フレームで計算
さて、メーカー公表重量と重量差がありますが、この違いは、計測時にディスクブレーキのホース・オイル・変速のワイヤー・バーテープ重量などが計測に入っていないこと。
また、フレームサイズが異なることなどによるものとお考え下さい。
今回ご紹介した2022年モデルのEmonda SL 5 / SL 6 / SL 6 RROは店頭に展示しており、実車をご覧いただけます!
ぜひご来店ください!