[ケースファイル]ボトルケージ台座がガタついて、ボルトが固定できない
自転車のトラブルの原因と対処をご紹介する「ケースファイル」
今回は、お客様からトラブル解決依頼でもトップ3に入る「ボトルケージ台座のゆるみ・ガタつき」についてご紹介します。
こちらのお客様が店頭に車体をお持ち込みいただいたとき、ボトルケージはフレームに取り付けられていたものの、台座がガタついてしまって、ボトルを入れることができない状態でした。
スポーツバイクに多く見られるボトルケージ台座の多くは、ブラインドナットと呼ばれる部材でフレームにねじ穴を設けています。この部材はフレームを挟み込むように、変形させて固定させます。ボトルケージに飲み物が入ったボトルを入れて走行していると、この固定が荷重や振動で緩んでしまい、ガタつきが生じて固定できなくなる事があります。
まず、ガタついたブラインドナットを除去する必要があります。この作業はフレームにダメージを与えかねない為、状況を見ながら数種類の除去方法から最適なものを選んでいます。今回はダウンチューブ側の台座2つを交換するため、このように除去しました。
ブラインドナットは除去する際、フレーム内に落ち込んでしまうこともしばしばあります。今回はヘッドチューブとダウンチューブの接合部にある穴から取り出すため、ヘッドパーツ部分を分解して、落ち込んだブラインドナットを取り出しました。ヘッドパーツの再組み付けの際、グリスの塗布量が少なかったので、写真・右の耐水性の高いグリスを塗布しました。
写真の下側が、除去したブラインドナットです。ナット上部の形が崩れていますが、この部分はもともとフレームと接触する部分で、除去作業の際に削り取りました。
そして、上の新しいブラインドナットを取り付けします。
今度取り付けるブラインドナットには、接着剤をフレームとの接触面に塗布します。ブラインドナット自体の固定力を補強する役目を担います。
準備ができたら、ナットセッターという工具を用いて、フレームとブラインドナットを固定します。この工具も使い方を誤ると、フレームにダメージを与えてしまうことがあるため、注意が必要となります。(特にEmonda ALRのような超薄アルミパイプは変形してしまうこともあるので、細心の注意を払います。)
完成しました。これで、元通り、ボトルケージがしっかり固定されるようになりました!当店では、金属フレームの修理はもちろん、同じ固定方法で留められているカーボンフレームも作業を承っております。ボトルケージ台座のガタつきにお悩みの際は、ちばサイクル各店舗までご依頼ください!
ボトルケージ台座修正工賃(ブラインドナット1か所につき):3,240円(8%税込)
※TREK以外のバイクについても作業を承っておりますが、現状確認で作業不可と判断した場合には、お断りすることもございます。