Kovee(コビー)とは、なんぞや?

それは、ロードバイクにも最適なサドル

2015年のTREK WORLDで日本発表・発売となった
Bontragerサドル「Kovee Elite」
Bontragerの公式サイトにはMTBのカテゴリーにラインナップされているこのサドル。
これまで大々的に紹介していなかったことを後悔するくらい
ロードバイクで快適なペダリングができる逸品だったことを
この記事で声を大にしてお伝えします!

新車で買った時のサドルのまま走るのとKovee Eliteで走るのと、どう変わるのか?

見た目だけのレビューじゃつまらないので、初めてのロードバイクに選ばれる機会の多い
EMONDA ALR6にセッティングしてローラー台で実際にペダリングしてみました。
今回の比較対象となるサドルは、EMONDA ALR6に付いてくるコチラ↓↓
Paradigm Race(パラダイムレース)です。
センターに溝が設けられ、軟部の圧迫を軽減する形状をしています。
気になる座面はどんな感触なんでしょう?
左:Paradigm Race/右:Kovee Elite(以下同配置)
 
座面がふっくら、柔らかなパッドのParadigm Raceと比較すると
硬い感触のKovee Elite。右の写真は指圧(?)を強くしすぎて
爪の部分が白くなっちゃってますね(笑)。それくらい硬めです。
諸々の説明は後回しにして、体感するために漕いでみます。
50cmフレームに跨ると前傾角度91度のホビーライダー・中尾。
 
Kovee Elite、Paradigm Raceの順に、ケイデンス100~110で15分、漕ぎ続けました。
Kovee Elite・・・・なるほど。
Paradigm Race ん!
!????!

なんで座面が硬いKovee Eliteのほうが圧迫が少ないんだ??!!!

サドルと接している大腿部内側、臀部、軟部のスレ(摩擦)と
圧迫感の違いは目を見張るものがありました。
まずはその原因を、漕ぎながら捜しました。

軟部のスレについて

 
Paradigm Raceには溝があるし、やわらかいパッドが
サドル前方にも配されている。。。
もしや、この溝のカーブと素材がスレの原因?!
やわらかいもの同士が接して頻度高く動き続けると表面に摩擦を起こすのと同じで
溝が浅く表皮に耐摩耗パネルを採用したKoveeEliteと比べて
ほんの少しですがざらつきのある合皮のParadigm Raceでは
サドル溝のエッジと軟部が常に摩擦しているのでは?と感じました。

 大腿部内側、臀部のスレについて

拡大しすぎ?いえいえ、ここが重要!
この原因は漕ぐ前から予測していたところです。
座面両端のカーブとその高さ(厚み)が明らかに違う両者、
厚みのあるParadigm Raceはペダルを漕げば漕ぐほど
脚の付け根にむにむにと当たります。
裏面から見てもKovee Eliteの方がエッジが薄いことが分かります。

ペダリング時の安定感について

ペダリングしていてもうひとつ感じたことは、乗車姿勢での安定感が違ったことです。
結果から言えば、Kovee Eliteのほうが、特に軟部が安定します。
そして、圧迫感も軽減されます。
その理由は??
座面幅はParadigm RaceのほうがKovee Eliteより約2ミリ広い。
そうすると理屈では前者が安定することになる?
体感ばかりでは探り切れない領域に来たようなので、Bontragerが公称している
Kovee Eliteの「Zone Density」と「Suspended Rails」について調べてみました。

Zone Densityはライドスタイルに合ったパッドがいくつも使われている

 すべてにおいて形状が異なる両者。
 
ボントレガーの考えるサドル選びを簡潔にまとめると
1.理想的な乗車姿勢を確認し
2.使用目的に合わせて最適に配されたパッド・フォームのサドルを
3.骨盤幅に合ったサイズで提供する
上の図で分類すると、Kovee Eliteは真ん中のPosture3「自然な骨盤の前傾」フォーム、
Paradigm RaceはPosture2「骨盤の深い前傾姿勢」に該当します。
ロードバイクを始めたばかりの方や
前傾が深くなりすぎない、楽な姿勢で走りたい方は3の乗車姿勢の場合が多いです。
まさに、私はその通り。前傾はロードバイクの理想といわれる90度に近い
ホビーライダーですっ。
実は視覚的に自分の乗車姿勢を確認できる計測手段があります。
 
他人のお尻を借りて商品紹介。
 
姉妹店のコンセプトストアで展開している
フィッティングサービス・プレッシャーマッピング
MADONE9に乗車し前傾の深い姿勢を取るスタッフ・沖山が計測した、
サドルにかかる圧力分布を例に挙げます。
左はPosture3のAffinityサドル、右はPosture2のMontroseサドルで計測。
グリーンやイエロー部が少ないほど
圧が1点に集中せず均等にかかっていることになります。
これはライドスタイルに合ったPostureを選べば
不快な圧迫を感じることなく走れることを証明しています。

Suspended Railsがもたらす”しなり”

サドルレールを観察をすると、カーブと接合部の形状が異なっています。
ペダリングをした時に体の縦方向の動きにサドルが追従する設計のサドルレールです。
シェル/サドルレールの素材はParadigm Raceはガラス強化ナイロン/クロモリ、
Kovee Eliteはカーボンファイバー強化ナイロン/中空チタンです。
カーボンが含まれるほうがしなりが生まれやすいのは想像できますよね。

この2つの設計技術の恩恵で、MTBだけではなくロードバイクで使っても
快適なフィットだったんですね。

サドルひとつで乗り心地が変わるスポーツバイク。
次の休みはちばサイクルであなたのバイクの楽しみ方や
理想をスタッフへお話しください。
最適なサドルを一緒に見つけましょう♪

Bontrager Kovee Elite 14,000円(8%税込)

注)海外サイトにはカーボンレール採用のKovee Pro Carbonも販売されているようですが
日本国内では2016年5月13日現在Kovee Eliteのみの販売です。