[ケースファイル]Speed Concept(スピードコンセプト)のシートポストの固定が緩い

 

[ケースファイル]Speed Conceptの固定が緩い。走行中に下がってしまう。

営業している中で「ちょっと困ったなー」という事例と対策をご紹介するケースファイル。今回の被験者は僕ことスタッフ・東です(笑) 平地メインのコースで楽しみにしているSpeed Conceptでのサイクリングなんですが、最近困った症状が発生。「走行中にシッティングしながら衝撃を受けるとサドル高が下がってしまう」というものです。先日のサイクリングの時に撮った写真!構図と色合いはものすごく気に入っているのに、このビミョーな高さになったサドル高…(泣) こんな悲しい思いをしないために原因と対策を探ります!(笑)

 

 
まずはSpeed Conceptのシートポストをチェック。真横から見るとまるで「板」ですね!
実はこの翼断面になったシートポストは固定力が甘くなりがちです。
特にSpeed Conceptのシートクランプは、このシートポストの後ろ側を押し付けるような形で固定する為、フレームとシートポストの接触する面が、通常の丸いタイプに比べて少ないんです。
おそらく原因はこの特殊なシートポスト形状が関連しているものと思われます。

 

 
そこで、固定力を増すためのアイテムがこちら。一般的には「カーボンペースト」と呼ばれています。これはグリスのような粘度をもったベース剤に、スクラブのような粒粒を混ぜ込んだもので、カーボンパーツ同士を締め付けた時の食いつきをよくするためのもの。
当店では主に2種類を使い分けているのですが、違いは混ぜ込まれた粒粒の「粒の粗さ」が異なります。

 

左:Morgan Blue(粒細かめ) 右:Finish Line(粒粗め)
 
写真をクリックすると大きい画像でご覧いただけますが、なんとなく左側のペーストはグリスっぽいのに対して、右側のペーストは硬そうな感じがわかりますか?手で触ってみるとその差は歴然。
この二つを使い分けとしては、左のペーストは粒が細かい分、締め付けした後の小傷が残りにくいため、固定力の補助が少なくても問題なさそうなパーツに使用します。右は、荒い粒がしっかりと食いつくため、締め付けた後はどうしても小傷が入りますが、固定力不足になるよりは仕方ありません。というわけで前回は右のペーストを塗りこんで、締め付けしたのですが…結果はダメでした。

 

 
という訳で、今回は秘密兵器を投入!裏取りの為、TREKのエンジニアにも確認したのですが正式なOKサインが出なかったため、詳細は非公開とさせて下さい(苦笑) 考え方はシンプルでもっと荒い粒粒を使えば食いつきがよくなるのでは?という事です。このペーストは本来の使用目的からも外れておりますので、察しが付いた方も使う際は十分に気を付けて下さい。

 

 
というわけで、Finish Lineのカーボンペースト+秘密のペーストの混合剤を
シートポストに塗り込んでいきます。シートポストサイドの面はこれまで通り、Finish Lineで。
シートポストクランプとシートポストの接触面に秘密のペーストを塗ってみました。
 

 

 
元々のサドル高に設定して、クランプボルトを適正トルクで締め付けしました!
今回は、この施策部分までです!近いうちに実装して、サドル高が下がってしまわないか
チェックしてみますね!…それにしても組付け後の東に不安の表情が少しでているような…(笑)
 
このケースファイルの経過はお楽しみに~!